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筋肉を使って動こうとせず、自然な呼吸を心がけること!

★海外のトップコーチャーによる
モダン&ラテン講習会
6月8日(木)/新宿ステレオホール 主催:(財)JBDF東部総局

毎年、「日本インター」の直前に行われる、(財)JBDF東部総局主催の『海外トップコーチャーによる特別講習会』。
今年は6月8日(木)/新宿ステレオホールで開催。
プロ競技選手から一般の愛好家まで、全国から360名に上る受講者が訪れる大盛況となりました。
今回の講師は、元世界チャンピオンのハンス・ガルケ先生とダンス界の重鎮、ビル・アービン先生。
各々1時間を越す熱心なレクチャーの模様をダイジェストでお届けします。
ぜひ皆さんも参考にしてください!

講習チラシ

ラテン講習
講師:ハンス・ガルケ先生
ビアンカ・シュライバーとカップルを組み、世界のラテンファイナリストとして90年代に活躍。
ダイナミックで切れ味鋭い踊りで人気を得た。
‘97年には地元ドイツで開催された世界選手権で優勝し、引退の花道を飾った。

「筋肉を使って動こうとせず、
自然な呼吸を心がけること!」

ラテンダンスに取り組む時、まず心がけて欲しいことは、身体のナチュラルさを失わないこと。
特に、筋肉を使って動きを起こそうとする方をよく見かけますが、正しい考え方とは言えません。
むしろ「呼吸すること」と「リラックスすること」に意識を向けるべきです。
競技会を見るたびに、多くのダンサーが全く呼吸をしないで踊っているように見えます。
まるで、呼吸をすることを恐れているようですね。
これではナチュラルな身体の動きはできません。
呼吸によって動きが生まれて、身体のテンションやムーブメントが自然なものになるのです。

それでは皆さんと一緒に、呼吸と身体のリラックスに関するエクササイズをやってみましょう。
まず、息を吐きながら手を前に上げて、息を吸いながら手を下ろしてみてください。
気分はどうですか?
あまり良いものではありませんね。
では、その反対に、息を吸いながら手を上げ、息を吐きながら手を下ろしてください。
いかがですか?
もうお分かりだと思いますが「息を吸うときに身体をストレッチさせ、息を吐くときにリラックスさせる」ことが、とても自然なのです。
この原理を応用して、ダンスの動きと自然な呼吸のコツを掴んでください。

では次に、背骨のポジションの重要性についてお話します。
ボールルームダンスでは「骨盤が身体の下に吊り下がった状態でなければならない」と言われます。
でもそれをするために、お尻の筋肉を使って押し込めようとする方がいますが、これは間違い。
筋肉をリラックスさせたまま、この状態に持っていかなければならないのです。
ではどうするかというと、骨盤と繋がっている背骨のポジションを変化させることで、骨盤の位置を変えるのです。
ラテンを踊る人の多くが、左右にヒップを投げ出すことに夢中のようですが、これはアクションを作ることに囚われており、 正しいことではありません。
「ボディウエイトの移動と背骨のコーディネーションが大切で、そのリアクションとしてヒップの動きが生まれる」と理解してください。
そして「一歩ずつ進んでいくことの難しさ」に目を向けてください。
常にボディウエイトを床の中に使い、1ミリといった最小の単位で移動する。
言い換えると「ボディウエイトを足のかかとからつま先へころがす」感覚が大切なのです。
この時も、呼吸を使った背骨とのコーディネーションを忘れないようにしましょう。
(以下略)

★モダン講習
講師:ビル・アービンMBE先生
‘62年の全英選手権、世界選手権制覇を皮切りに、全英4回、世界選手権6回優勝の金字塔を打ち建てた グレートチャンピオン。
引退後は、トップコーチャーとして数多くのチャンピオンを育てると共に、名司会者としても活躍中。

「頭が常に足の上にあるバランスのとれたホールドを意識する!」

長年、日本人の選手たちを教えてきましたが、大切なポイントは次の5つに集約されます。
それは、S=スタイル、M=ムーブメント、M=ミュージック、B=バランス、F=フィート(足)。
そして「足」が全てです。
しかし、その足を正確に使うには、幾つか押さえておくべき事柄があります。
まず、頭と足の位置について認識しておきましょう。

ダンサーの95%の方が、身体のバランスを取るために、頭のポジションが重要だということに気付いていないように私には思えます。
まず皆さんには、バランスの取れたホールドをお見せしましょう。
ご覧のように、正しいホールドをしている人の後にはダイヤモンドの形が見えています。
ところが頭を右に傾けると、ヘッドウエイトが足の位置をはみ出してしまい、バランスの取れたホールドは失われてしますのです。
身体が常にバランスの取れた状態にいられるかどうかは、頭と足の位置関係が大きなポイントなのです。
例えば日本人男性の多くが、身体の前面を女性の方へ持ち上げてホールドしようとします。
しかしこの時点で既にバランスは失われているのです。
「ヘッドウエイトは常に足の上に置かなければならない」ことを肝に銘じてください。

こうした頭と足の関係を確認する方法があります。
まず足を揃えて立ってみてください。
この時、ウエイトは中心部にあると思います。
次に頭を右に倒すと、ウエイトが右足のアウトサイドエッジにかかるのが分かるでしょう。
そしてアゴを上げてみると、ウエイトはかかとにかかります。
こうした僅かな変化がバランスの崩れに関わってきますので、十分に注意してください。

次に、体重移動における足の使い方、もっと突き詰めて言うと「親指をアクティブ(活動的)に使う」ことに触れたいと思います。
レッスンでよく話すのですが、砂浜を裸足で歩いていることを想像してください。
砂が濡れていれば、歩く度に足跡が付きますが、親指の部分には一際大きな穴があいているはずです。
これと同様に、ダンスにおいても親指はとてもアクティブでなければなりません。
それは「身体を持ち上げるために、親指がフロアの中に押し入って行く」ぐらいの感じです。
(以下略)

上記の記事は、月刊ダンスビュウの許可を得て9月号より転載しました。

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