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Taeさんが聞いてきたお話

日曜日に乗る船が松山までとなったので乗れなくて大阪に足止めをくったTaeさんでしたが、そのぶんしっかり稽古をして帰ってきました。
火曜日の船の1等個室になったのですがひとりのおじさんが相部屋でした。
台風のために船が欠航になってひどい目にあったことを話していたら、そのおじさんが、船が松山までと知らずに乗り込んだかわいそうなおばあさんのことを話してくれました。
何でまたあんたがそのことを知ってるんだと聞いたら、そのおじさんは、松山のタクシーの運転手で長年の疲労が蓄積して、体中はがたがたになってしまい心臓には機械が入ってるとのこと。
その機械も15年ほどしか持たないそうですが、それよりもおじさんのほうが持つかどうかだねと言ったら、まだ55歳だそうでした。
おやおや、もっと上かと思ったそうでしたが。
タクシーの運転手さんは、大阪の病院に行っての帰りとのことでした。

日曜日の船は初めから別府までは行かないで松山どまりといっていたのですが、81歳のおばあさんの耳には届かなかったのでしょう。
その上、船は遅れて別府につく頃の時間に松山に入港したのでした。
そのおばあさんは別府に着いたと思って船を下りましたが、実は松山とわかって困りました。
タクシーをつかまえて訳を話してこれから別府まで言ってくれないかと頼んだのです。
タクシーの運転手さんにしてみればいいお客さんですが……。
なにせ、あまりにも年寄りのおばあさんなので二つ返事ともいかず、丁寧におばあさんに事情を尋ねたのです。
そしてこれからどのルートをとって別府まで行くかを相談したのです。
八幡浜からのフェリー(まだ運行していた)で別府へ行くか、その場合は帰りの船賃も出してもらわないといけないと……。
その場合は7,8万はかかることを話したらそのぶんはお金も持ってるからお願いしますとのこと。
それでもことは尋常ではありません。

それだけのお金があるのなら松山に泊まって船が動き出したらそれで別府まで行ったらいいと言ったのだがそれがいやとのこと。
今すぐに別府に向かいたいとのこと。
話を聞くと、別府にはおばあさんの次男が住んでるそうです。
とりあえず事情を話したいから電話番号をと言うのですが、教えてくれません。
もっと話を聞き出したら、自分は大阪の長男のところにいたのだが、そこがいやでいやでこそっと抜け出してきたのだそうです。

だから大阪の電話番号も教えられない、別府の電話も教えられない、連絡したらすぐに大阪に連絡されてしまうとのこと。
でも結局は何とか連絡先の電話番号を聞きだして、大阪の長男さんが車で迎えに来たそうです。
台風7号が巻き起こした、81歳のおばあさんの知られざるドラマでした。

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