松井に聞く

 ―どんな決断を?

 松井「残留を期待してくださったファンの方にはとても心苦しいのですが、いろいろ考えた末、アメリカでプレーする道を選びました。先ほど、長嶋名誉監督、土井球団代表に自分の決断を理解していただいた」

 ―いつ決めたのかか?

 松井「最終決断は夜だけど、昨日、日本一になり、一夜明けて、気持ちに踏ん切りがついた」

 ―決断の経緯は?

 松井「自分の中にはメジャーでやってみたいという気持ちはずっと前からあった。でも、考えれば考えるほど、それはやっぱり自分の中にとどめておかなければいけないものなのかと思うようになっていた。いつしか(行きたい気持ちに)フタをするよう努力していた」

 ―なぜ?

 松井「自分の置かれた立場はよく分かっていたし。ボクが残れば、すべてがうまくいくという状況でもあった」

 ―長嶋名誉監督からもかなり残留説得があったようだが?

 松井「それが一番こたえた。以前は長嶋名誉監督からも『見てみたい』という言葉をいただいていた。でも、今は今後の球界のことを考えたとき、『やっぱり松井がいなくなると…』といわれ、返す言葉がなかった。長嶋監督の立場もよく理解しています。ボクは日本球界に育てられた選手。今の自分があるのも、長嶋監督をはじめ、先輩や、ここまで応援してくれたファンがいたからだし。考えれば考えるほど、苦しかった」

 ―それでは、何がメジャー行きを決断させたのか?

 松井「自分にもっと素直になろうと思った。正直に生きようと思った。これまでボクは常々人間は一人では生きていけないと思ってきた。羊が群を作らなければ決して生きていけないように、人間も。でも、たとえば百匹の羊がいて、99匹が群れのしきたりに従って生きていても、必ず一匹の迷える子羊が出てくるという。『そんな息苦しい生き方ではなく、感性で生きたい。力を試したい』と。ボクの中にも、迷える子羊がいた。そしてボクはその自分の中の一匹を大切にしたいと思った」

 ―ファンへのメッセージは?

 松井「明日、会見では皆様にはしっかりお話しするけど、ボクは巨人が嫌いで、メジャーを選択したわけでは決してない。今は、何を言っても、“裏切り者”と言われるかもしれないけど、ボクにはひとつの夢がある。まだ、だれも成し遂げてない、やらなければならない夢。それは不滅のジャイアンツ魂を海の向こうのメジャーにも見せつけること。そのためには、今度はボクがメジャーでホームラン王をとってやる、そう決心しました」


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