エコシップ 自動車運搬用 南日本造船が建造

船
4項目の環境対策を施した南日本造船の新造船
「ユーフォニー・エース」
ガラス管
排ガス集じん機の性能試験に使ったガラス管。
(左から)排ガスを通していない管、集じん機で浄化した排ガスが通った管、集じん機を使わないで排ガスが通った管

南日本造船(臼杵市、吉田泰社長)は、環境負荷を抑えた自動車運搬専用船を建造した。森林バイオマス資材を使って大気汚染の原因である排ガス中の粒子状物質(PM=すす)を三分の一以下に削減する排ガス集じん機を世界で初めて搭載。合計四項目の環境対策を施した「スーパー・エコシップ」で、十八日に出航する。

新造船は六千四百台積みの自動車運搬専用船「ユーフォニー・エース」で、船主は商船三井。南日本造船が建造し二〇〇三年度のシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞した「カレージャス・エース」の同型船に環境対策の改良を加えた。

排ガス集じん機は、商船三井グループの「エム・オー・シップマネジメント(MOSM)」と環境機器メーカー「ジュオン」が共同開発。国産木材の端材から抽出した溶液を排ガスが通る集じん機内で噴霧してPMを凝集させ、セラミックフィルターで吸着する。

試験では、排ガス中のPMを71%、硫黄酸化物を67%除去できた。回収したPMは高品位の炭素を多く含むため、MOSMが新素材のカーボンナノチューブや電池の電極棒への利用を研究している。

甲板には合計発電能力十キロワットの太陽光発電パネルを設置。貨物室の照明に利用し、燃料使用量を削減する。甲板天井には厚さ三センチの断熱発泡ウレタンを塗布。断熱性を高めて貨物室内での作業環境を改善した。

乗組員二十三人で一日十八キロ程度発生し、これまで海洋投棄してきた食物かすを肥料化するため、生ごみ処理機も搭載している。

南日本造船とMOSMは「米カリフォルニア州がPMの発生が少ない燃料の使用を要請するなど、船舶も環境対策が求められてきた。環境対応を先取りした船で再び、シップ・オブ・ザ・イヤーを目指したい」と話している。