「ネット将棋」の公式戦創設
竜王対ボナンザの特別対局も

2006/11/17 将棋王国・棋界ニュース

新棋戦創設の会見で握手する米長邦雄・日本将棋連盟会長(左)と鈴木茂晴・大和証券グループ本社社長(右)。中央は新棋戦に参加予定で「ボナンザ」とも対戦する渡辺明竜王

日本将棋連盟は17日、ネット将棋による初の公式戦「第1回大和証券杯ネット将棋・最強戦」を来年4月から開催すると発表した。羽生善治王座などトッププロ16人が参加し、トーナメント方式で覇を競う。来年3月21日にはパソコン用将棋ソフト「ボナンザ」と渡辺明竜王が対戦する特別対局も開く。

新棋戦への参加者はタイトル保持者を含むトッププロ16人で、羽生王座や森内俊之名人、佐藤康光棋聖の参加が決まっているほか渡辺竜王も出場する見通し。基本的に棋士の自宅のパソコンから専用サーバーにアクセスして対戦する。

対局は毎週日曜日の午後8時開始で、将棋ファンは誰でも棋譜配信サイトにアクセスしてリアルタイムで対局の模様を観戦することが可能。最強戦以外に女流戦や、アマチュアも参加できる棋戦なども行う予定だ。

棋戦創設を記念し、プロ棋士とコンピューターソフトの公開対局を来年3月21日に品川プリンスホテルで実施する。対戦するのは将棋界最高位の「竜王」タイトルを保持する渡辺竜王と、今年5月の「世界コンピュータ将棋選手権」で優勝したボナンザで、持ち時間各2時間、ハンディキャップなしの平手で戦う。対局の模様は連盟が来春立ち上げる動画配信サービスでも中継する考えだ。

ボナンザはトロント大学の元研究員・保木邦仁氏が開発したフリーソフト。トップアマに匹敵する実力を持つとされるほか、終盤の「詰む・詰まない」の局面ではプロ以上の読みの力を持つという。チェスの世界では1997年にIBMのスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」が当時の世界王者・カスパロフ氏を破って話題となったが、渡辺竜王は「やりにくさは感じるものの、負ける気はまったくない」と自信をみせている。

囲碁では同じ大和証券グループが特別協賛する「大和証券杯ネット囲碁オープン」を非公式戦として開催しているが、この新棋戦は公式戦扱いとなる。将棋連盟にとってはスポンサー収入増加のほか、ネット利用が多い若年層への将棋の認知拡大を図る狙いもあるようだ。米長邦雄会長は「将棋界もアナログの将棋盤だけでなく、インターネットなどのデジタル技術を活用した取り組みも活発化させていきたい」と語った。

公式戦開催にあたってはパソコンや通信の安定性のほか、対局中に誰かから助言を受けたりソフトを利用するなどの不正行為を監視できるのかといった課題が残る。「トップ棋士は他人から助言を受けるようなまねはしない」(米長会長)としているが、関係者からは「いきなり公式戦で始まると聞き驚いた」という声も聞かれた。


結果は終盤にボナンザにミスがあり、渡辺竜王が勝った。
以下に竜王のブログで経緯がわかります。
大和証券杯特別対局ボナンザ戦。その1(対局準備)
大和証券杯特別対局ボナンザ戦。その2(当日編)