県内有感地震18回 今後も注意が必要

2007/06/07 大分合同新聞・夕刊

石垣
地震で崩れた別府市南荘園の石垣=7日午前10時10分
地図

7日午前11時19分ごろ、別府市などで震度3の地震があった。気象庁によると、震源地は県中部で、震源の深さは約10キロ。規模はマグニチュード(M)4・1と推定される。

県内では、前夜から同じ県中部を震源に最大で震度4の地震が続いている。大分地方気象台によると、今回の地震を含め、体に感じる地震は正午現在、18回発生している。

県によると、今回の地震による被害報告は入っていない。

JR九州大分支社によると、地震の影響で、日豊線亀川駅構内の地震計測器が基準値を超えたため、正午現在、大神―別府間で運転を見合わせている。

各地の震度は次の通り。(午前11時19分)

震度3=別府、杵築、、杵築市山香、日出▽震度2=中津市耶馬渓、豊後高田、宇佐市院内、宇佐市安心院、国東市安岐、大分、臼杵、由布市湯布院、由布市挾間、由布市庄内、津久見、佐伯、佐伯市蒲江、佐伯市上浦、佐伯市鶴見、豊後大野市犬飼▽震度1=中津、国東、豊後大野市三重

活断層が原因か

6日夜から7日にかけて、県中部を中心に断続的に発生している地震。6日午後11時42分に震度4を観測した別府市では石垣が崩れるなどの被害が生じた。震源地は別府市付近で、活断層との関係も考えられる。

大分地方気象台によると、6日夜から7日午前にかけて計18回、有感地震が発生した。震源の深さは約10キロ。九州を横断する「別府―島原地溝帯」に含まれる地域で発生している。

この付近では過去にも小規模の地震が発生しているが、震度4を観測したのは2000年4月29日の地震=マグニチュード(M)4・2=以来。短い間隔で多発するのは、火山の多い地溝帯で発生する地震の特徴で、今後も注意が必要。

大分大学教育福祉科学部の千田昇教授(地形学)は「別府市付近には堀田―朝見川断層や別府北断層などがあるが、現時点では震央がはっきりしていないので、仮に活断層が原因だとしても具体的にどの活断層か特定はできない。地表で確認できない地中の断層や割れ目などが地震の原因になる可能性もある」と話している。

別府で石積み 護岸が崩れる

断続的に地震が発生した別府市では7日朝、板地川(市内南荘園)で、石積みの護岸が高さ約3メートル、幅約4メートルにわたって崩落しているのが見つかった。そばに市学校給食共同調理場があるが、影響はなかった。

市内鉄輪井田の市営温泉「熱の湯」では、地震の影響で天井の板一枚がはがれ落ちたため、同日午前10時すぎから臨時休業とした。補修作業を進めている。

市によると、市内の民家三軒で破裂した水道管は同日未明に復旧した。

市民からは避難所の確認など約50件の問い合わせがあったが、家屋の被害やけが人は出ていない。

大分文化会館のガラス15枚割れる

この地震の影響で、大分文化会館の窓ガラス15枚が割れた。市によると、割れたガラスは縦2メートル、横1メートル。7日午前、正面玄関の一階部分のガラス2枚と、二階ホワイエのガラス13枚に大きな亀裂が入っているのが見つかった。一階のガラスは同日中に新しく交換し、二階は危険がないよう、ビニールテープで応急措置をする。

大分・別府で相次ぎ震度4 「2、3日は警戒を」

2007/06/08 大分合同新聞

避難
相次ぐ地震への不安から公民館に避難した住民
(別府市中部地区公民館・午後10時半頃)

7日午後5時22分ごろ、大分県を中心に中国、四国、九州各地で地震があり、大分・別府で震度4を観測した。同8時50分ごろにも別府などで震度4の地震があった。気象庁によると、震源地は大分県中部、震源の深さは約10キロ。マグニチュード(M)は4・6~4・5と推定される。

6日深夜に別府や杵築で震度4を観測して以降、地震が続き、7日午後2時58分ごろにも別府などで震度3を観測。大分地方気象台によると、6日午後9時17分から8日午前零時までに、28回の有感地震が発生している。気象庁は群発的な活動になっていると指摘し「ここ二、三日は注意が必要。震度5弱程度は起こり得る」と警戒を呼び掛けた。

7日午後5時22分ごろの地震の各地の震度は次の通り。

震度4=別府▽震度3=宇佐安心院、国東安岐、大分、杵築、日出、由布湯布院川北、佐伯など▽震度2=大竹(広島)八幡浜保内(愛媛)岩国(山口)行橋今井(福岡)高森(熊本)中津、臼杵、高千穂(宮崎)など▽震度1=広島、呉(広島)西条、松山(愛媛)宿毛桜(高知)萩、山口、下関(山口)苅田(福岡)産山(熊本)玖珠、延岡古城(宮崎)など

別府で613人が自主避難、不安な夜

2007/06/08 大分合同新聞

市職員
市民からの電話対応や情報収集に追われる別府市職員(7日午後9時16分)
塀の瓦
地震で壊れた民家の塀の瓦を回収する消防署員(7日午後6時20分ごろ、別府市新別府)

断続的な地震に見舞われた別府市は7日夕、再び警戒態勢を取った。各地区公民館や小学校など市内十六カ所に避難所を開設。自治会も独自に十カ所の避難所を設けた。8日午前零時現在、少なくとも613人が自主避難し、不安な夜を過ごした。

市は各避難所に毛布や水、乾パンを届け、職員を配置した。南部地区公民館(浜脇)に避難した池田ヨチ子さん(83)は「マンション六階に住んでいる。腰を痛めているので逃げられないと思い、早めに来た」。前日は一睡もできなかったという若杉智子さん(77)は「一人暮らしなので夜が怖い。避難所に来れば誰かいるので、少しは安心できる」と話した。

防災担当の環境安全課には、市民からの電話が相次いだ。「近くに避難所を開設したらすぐに知らせてほしい」などと地震への不安を訴え、瓦の崩落、地面のひび割れといった被害状況を伝えた。市の調べでは、市・区営の温泉施設二カ所でお湯が濁った。

市内の旅館やホテルでは、この二日間で給湯管のずれで温泉が一時止まったり、ガラスが割れるなどの被害も。入浴中の揺れで腰を痛めたり、不安を訴えロビーで寝た客もいたという。

JR、ダイヤ終日乱れる

地震による影響でJR日豊線は7日、大神―別府間などで運転見合わせを繰り返し、ダイヤが終日乱れた。夕方は帰宅ラッシュを直撃。午後6時半すぎのJR大分駅の改札口前は、運転再開を待つ学生やサラリーマンらで混雑した。

東京から出張でやって来た会社員男性(53)は、小倉に向かう列車を2時間待っていた。「地震の影響だから、こればかりはしょうがない」とため息。佐伯の自宅へ帰宅するため、約1時間待っているという女子高校生(18)は、「父に迎えに来てもらうことにしました。人が多すぎて普段とはまったく駅の雰囲気が違う」と話した。

高速道路、一時通行止め

7日午後8時52分から約2時間、大分自動車道湯布院IC(インターチェンジ)―大分IC、日出JCT(ジャンクション)―速見IC、宇佐別府道路、日出バイパス全線が通行止めとなった。

県、県警が再び連絡室

7日夕方の震度4の地震を受けて、県は災害対策連絡室を、県警は災害警備連絡室をそれぞれ再び設置した。

県災害対策連絡室では職員約10人が被害情報の収集に追われた。「これだけ揺れが続けば態勢は崩せない」と、徹夜で地震に備えた。

断層が少しずつ壊れる

今回の地震の原因については、活断層とみる専門家が多い。

独立行政法人防災科学技術研究所地震研究部地震観測データセンター(茨城県つくば市)の小原一成センター長は「どの断層かはまだ断定できないが、その中の一部が関与しているだろう。縦ずれ地震の中でも南北方向に断層が引っ張られる『正断層地震』と呼ばれるもの」と指摘。京都大学大学院理学研究科の平原和朗教授(地震学講座)は「断層が一気に割れるのではなく、不均一にぐずぐずと割れている状態」と話す。

タイプは、火山地域でよく見られる群発地震という見方が大勢。九州大学地震火山観測研究センター(長崎県島原市)の松島健准教授は「断層が一度にずれないで少しずつ壊れているため、同じような大きさが続く群発地震となっているのではないか」と分析。観測結果から、震央を「別府市亀川周辺」と推定している。

今後の見通しについては見解がさまざま。東京大学地震研究所(東京都)の酒井慎一准教授は「大地震の可能性もゼロとは言えない」、小原センター長は「やや大きめの地震が発生することもあり得る」と話す。一方、平原教授は「震度4前後が続くことはあるが、それほど大きな規模の地震までにはならないのでは」、松島准教授も「マグニチュード(M)7クラスの大地震が起こる前触れではないと思う」と推測している。

専門家によると、過去の群発地震では▽30年ほど前に長野県松代で1年続いた▽同じく30年ほど前に阿蘇で震度3、4の地震が二、三週間続いた―といった例があるという。

気象庁地震火山部は「もう少し様子を見ないと現段階では何とも言えない」と話している。